ソロスは投資家なんかより哲学者になりたかったんだろう。この本を読むとよくわかる。彼の投資人生は、彼が学生時代(ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス)に発表して無視された「再帰性」という概念を実践の場で証明するためのものであったとも言える。
経済学をぼろくそに貶している。彼の「再帰性」という概念を認めればすべての経済学のモデルは成り立たなくなるのだ。かなり説得力がある。真面目に一読をおすすめ。
「再帰」という言葉だが、ラテン系の言語では「再帰動詞」というのがあるが、要はそのこと。自分の行動が自分に跳ね返ってくる動作をあらわす動詞(説明が下手でごめん)。自然科学以外の分野ではすべての現象はこういう性格を持つので、予測不可能となるのだという。合理的期待形成論や「すべては均衡に向かう」とかいうのは愚の愚だと。同感。
ソロスによれば、いま世界で起こっているのは、サブプライム問題なんかというケチなものではない、80年代以降に世界で形成された「超バブル」の崩壊だという。とてもこわいお話しだが、これも説得力がある。
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